俺様ティーチャー全般のネタバレがあります。
主に新刊を読んで思ったことです。
(本当は今一度一巻から読み直して考察したいけど)
今一番新刊が楽しみな漫画です!
主に新刊を読んで思ったことです。
(本当は今一度一巻から読み直して考察したいけど)
今一番新刊が楽しみな漫画です!
PR
日本で初めて、プロ・ゲーマーという職種を築いたプロ格闘ゲーマー「ウメハラ」による初の著作。
17歳で世界一となり、2010年には最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマーとしてギネス認定された。
ある程度ネットやニコニコ動画をやっている人なら、ゲーマーでなくとも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
恐らく格闘ゲーム、いやゲームに関わる動画の中で最も再生されているであろう動画がこれ。
ざっくりと説明すると、世界中の猛者が一同に会するアメリカの大きな大会(Evolution)の準決勝、アメリカで最強と言われるジャスティン(春麗)との対戦における奇跡の逆転劇。
この試合は両者にとってマッチポイントであり、ウメハラが操るケンの体力は残り1ドット。どの技が当たっても死んでしまう体力です。春麗が、必殺技である鳳翼扇(連続キック)を繰り出した瞬間に勝利を確信するアメリカの観客。(ケンはガードをしても削り殺される状況)
そして奇跡が。春麗の連続キックを全段ブロッキング(削りによるダメージの発生しない特殊なガード)、そしてそこから隙をついて超必殺技の疾風迅雷脚でまさに大逆転といえる勝利をつかみとったのです。(全然ざっくりじゃなかった)
こういう大事な場面で、常に、実力を100%、120%出せるかということは勝負に勝ち続けることにおいて非常に大切なことです。
この全段ブロッキングも、普段の練習で出来ていなければきっと出来ないでしょうし(実際、これ自体は難しいことではない、と言われています)、何百、何千と試合をしてきたからこそ残り1ドットの体力という状況でも冷静に相手の思考を読むことが出来るのでしょう。
実はまだ、本書は1、2章しか読んでいません。
だからその部分のみの感想になるのですが、まずは1章から。
1章では主にゲームとの出会いや、いかにしてゲームの道へ進むことになったかなどの話です。この辺りは家族の話など興味深かったです。
要領の良い姉に、才能の前ではちょっとやそっとの努力では敵わないということを分からされ、そこからとことん追求し、努力することを決意するあたりがとてもグッときました。
ただそのひたむきさ、不器用さ故に学生時代に周囲と馴染めないあたりのエピソードも面白い。
自分がひたすら打ち込めるもの、突き詰めていけるもの、を求めるウメハラにとって、野球が流行れば野球選手を目指し、Jリーグが発足すればサッカー選手を目指すような級友は理解し難かったと。
それぐらいならまあ分からないこともないのですが、ちょっと笑っちゃったのは、中学三年、今までつるんでいた仲間が一斉に受験勉強モードになってしまった時、
>そこでまた、愕然とした。
>「何だよ、お前ら。もっとふざけろよ、ふざけ続けろよ!」
という所。振り切れてる。
結構人間らしいというか、人並みに悩んでいるところが分かって面白いです。
何度も、ゲームの道に突き進んでしまうことへの不安が書かれています。
ただでさえ、自分はこれを徹底的にやる!と決めるのは恐ろしいものです。例えばアートなら、きっと周囲の人間は「才能の世界なんだから…」とか「将来どうするの?」とか言うでしょうし、スポーツなら「頑張ったって選手になれるのはわずかだよ」とか、言うはずです。
ゲームなら尚更。今でも、ゲームは害悪だとする人は少なからずいます。勿論その昔にはプロ・ゲーマーという職業自体がないのですから、それをやって何になるの?将来どうするの?という周囲の目は他のものより厳しいでしょう。
2章では、周りの目は気にするな、という話が出てきます。
私達はしばしば、人の目を気にしながら、行動、選択してしまうことがあります。そして心の奥底では、それが無意味で、無価値なものであることも何となく分かっています。人の目を気にするということは、様々なものへの挑戦権を失うようなものです。失敗を恐れていたら、出来ることはごく限られてきて、誰にでも出来ることしか出来ない、やらない自分になってしまいます。
格闘ゲームに関わらず、勝負事に携わる人間として、彼には常に他人からの評価が付きまといます。一度負ければ、内容も見ずに批判される。アイツはもうダメだね。など、心ない言葉を吐く連中もいます。だからこそ、周りの目は気にするなという言葉が真に迫ってきます。
それが自分にとって確かな一歩で必要な過程を経ている途中なら結果が伴わずに蔑まれようとも、聞く耳持たず必要なことを着実にこなすべきだと。
このあたりの徹底している思考はちょっと真似出来ないですね。やっぱり、ある程度結果が出せたからこそ、この境地に辿りついたんだと思います。
小学生から、周囲との違いを感じ、コンプレックスを抱いてきたからこそ、
>そして、人の目が気にならない世界で生きることは本当に楽しい、と確信を持って断言できる。
という言葉が言えるんだろうなと思います。
こういった精神論的な話の部分は本当にゲームに関係なく、大事なことばかりで、特に夢に向かって努力しようとしている若い人に読んで欲しいと思いました。勇気が出ると思います。そしてまた、生半可な覚悟では夢は成し遂げられないとも思います。好きなことをとことん突き詰めていく。自分にはもうこれしかないのだ、という壮絶な決意の元、自ら暗い道を開拓し、進んでいかなければ、他の人より良い結果は残せない。
それは勿論辛いし、周囲から必ずしも理解されるとは限らない。けれども乗り越えた時には、きっと楽しくて自分が一番生き生きとできる場所に出ているのだと思います。
で、ここからはちょっとどうなの?って所も含めて雑多な感想を。
まず、流行ってるゲームをやる、というくだり。
確かに、流行ってるゲームは強い人もたくさんいるし、自分の力を高めることは出来る。
でもむしろ、自分がプレイすることで「流行らせる」ことが出来る人なんだからさーというのはあります。
というか凄くストイックな人なのだなと。多分国内におけるプロ・ゲーマーの地位とか、そういうのより、自分自身の向上、成長の為にひたすらゲームをやってる。
この辺り、同じくプロである「ときど」さんの見解を伺いたいなーと凄く思った。パッと本書を読んだ感じだと、真逆じゃないの?と思ったので。
単純に自分が「ときど信者」なのもあるんだけど、プロ・ゲーマーって職業に対する考え方辺りは本当に結構違うんじゃないかな。というか、プロとして担っている役割が違うというか。
ウメハラさんは本当に、格闘ゲームの象徴、神として、常にトップでゲームし続けてること、が何より大切なお仕事で役割なんだろうと思う。
そしてときどさんやマゴさん(同じくプロ・ゲーマー)などのプロは現在、プロ・ゲーマーという職業自体の地位向上の為に、格闘ゲーム人口を増やしたり、プロ・ゲーマーがゲーム一本で食べていけるように、お金のはいる、ビジネスとして成り立つ仕組みをつくろうと模索している。
多分、どっちの活動も必要(というか、どちらかだけでは業界は衰退するだろうなと思う)だから、やっぱり尚更対談的なものは収録して欲しかった。
例えば、本書1章では、ウメハラさんがゲームしかなかったっていうのがすごく分かるんだけど、ときどさんはそうじゃないと思うんだよね。麻布中、麻布高、東大、大学院っていう傍から見たらエリート一直線みたいな道を歩んでて、そしてプロになった時にも、利益を追求していく、という宣言をしてた。そういうリアル立ち回りだけじゃなく、ゲームのプレイスタイルというか、攻略、開発とかのスタンスも本書に書かれてることだけ見ると、真逆だと感じる(徹底的なネタ隠しとか)。
ウメハラさんの姿勢が、「勝ち続ける」努力なら、「勝ち」を続ける為の努力をしている人のように思う。そういう所の考え方の違いが見られたらますます本書の価値は高まっただろうなと思います。まあ単純に自分が読みたいだけなんだけど。
あるいは他のプレイヤー評などあっても面白かったかも。そうするとちょっと一般向けじゃなくなっちゃうから、本として売上を狙うなら、これが正しいのかなとも思うんですけどね。
ともかくこれが売上で成功してくれて良かった!次の出版にはやくも期待が止まりません。
読み終わったら補完するかも知れないです。気になった所があれば。
カレンダー
最新コメント
プロフィール
HN:
noffa
性別:
非公開
ブログ内検索
P R